2017年3月26日日曜日

ブラックホール、見えましたか?「サイエンスカフェ」を開催しました

本日、科学の話題についてゲストと参加者が気軽に語り合おう(≒おしゃべりしよう)という会、「サイエンスカフェ」(第4回)を開催しました。
今回のテーマは、『ブラックホールと宇宙のおはなし』で、市内のカフェ「リラクシン」を会場に、市内外から20人の方が参加して行われました。
ゲストは、国立天文台理論研究部 助教 大須賀健氏。大規模シミュレーションを駆使したブラックホール物理学、巨大ブラックホール形成論を研究している気鋭の研究者です。
最初に、大須賀氏からブラックホール研究の成果と課題についてのお話をいただきました。
宇宙のどこかに存在する暗黒天体、吸い込まれたら脱出できない…などのイメージで語られるブラックホールですが、その正体は太陽の10倍以上の質量をもつきわめて小さい(半径30㎞程度の)天体です。
ブラックホールの中は重力源だけがある空っぽで、名前のとおり究極の黒さであるため視覚的に観測することは困難ですが、それをスーパーコンピュータの「アテルイ」や「京」を駆使してその存在を明らかにするのが大須賀氏のプロジェクトです。
お話を詳しくご紹介するのは無理なのですが、観測のポイントは「光の中にブラックホールがある」ということです。
以下、大須賀氏から、ブラックホールの種類、巨大ブラックホールと宇宙の進化、ブラックホールの未来などについてわかりやすい画像や図表を用いて解説がありました。

後半は、参加者との交流タイム。一人ひとり簡単な自己紹介とブラックホールや天文に関する問答などで大須賀氏との意見交換をしました。
本日参加のみなさんは、大須賀氏の著作や天文の書籍を読んでブラックホールに興味を持った方や、地元の「星の会」会員で天体観測を趣味としている方をはじめ、にかほ市出身の大須賀氏のかつての同級生(!)や実家のご近所さんなど様々な動機で出席された方々。
大須賀氏からは、一つ一つの質問や意見に対し、ていねいに解答や説明をしていただきました。中には、研究の環境に関する裏話の披露もあり、参加者のみなさんを大いに沸かせてくれました。

ほんの2時間ばかりの会でしたが、ビッグバンから未来の「宇宙の死」まで、文字どおり天文学的な時間(の話題)が飛び交う雰囲気を堪能することができました。
…本日の参加者のみなさん、ブラックホールは見えましたか?

次回のサイエンスカフェをお楽しみに!